ズームの広角側と望遠側の使いこなし [レンズの話]

はい。アベっちだよ。 このブログは期間限定2ヶ月間だから、ちょうど半分が過ぎた。楽しんでもらえているかな? 後半さらに役に立つ記事を掲載したい。で、そのためにも、パワーアップできるゲストを呼んだ。梨沙(リサ)ちゃんだ。まずは自己紹介からいこう。

 

「みなさん、はじめまして梨沙です。これから何回かモデルで登場します。どうぞよろしく。アベさんとは前に仕事で知り合ってから仲良しです。みなさんも仲良くしてくださいね♪」

ということだ。よろしく頼む。決して可愛い女のコでniceを増やそうとか思っているわけじゃないよ(笑)。さて、本題に入ろう。8月1日掲載の「ピントはどこに合わせるか」で、つぎのように書いた。『画面全体をシャープにみせたいときは、はじめから18~24㍉ぐらいに合わせて使う。背景をぼかしたいときは、100~200㍉ぐらいに合わせて使う。この場合、被写体の大きさを変えるのは自分の足だ』これをもっと具体的に解説したい。

たとえば、18~70㍉F3.5~5.6と75~300㍉F4.5~5.6の組み合わせだったら、あるいはDT18~200㍉F3.5~6.3を持っていたとすると、何を基準に焦点距離を決める? 普通は、ファインダーをのぞいて、近かったら広角を、被写体が遠かったら望遠を選ぶんじゃないかな。また広い範囲を撮りたければ広角。アップを撮りたければ望遠という考え方もあるだろう。どちらにしても広角か望遠かは、被写体との距離や写したい範囲で決まるのが普通だ。もちろんこれも間違っていない。 

 市場のネコ。近ければ広角

 動物園の孔雀。遠ければ望遠

ファインダーをのぞいでレンズの焦点距離というか、写る範囲(画角)を決定する。普通は誰もがそうする。でも、これだと『画面全体をシャープにみせたいときは、はじめから18~24㍉ぐらいに合わせて使う。背景をぼかしたいときは、100~200㍉ぐらいに合わせて使う』 がぜんぜん実行されていない。そう。これだけではダメなんだよ。

まず最初に、いま撮ろうとしているシーンでは、背景までシャープに見せたいのか、背景をぼかしたいのか、それを決める。写すイメージを決めるてってことかな。そうしたら先にレンズの焦点距離はセットしちゃうんだ。画面全体をシャープに見せたかったら18~24㍉、背景をぼかしたかったら100~200㍉にする。これでファインダーをのぞくと被写体の大きさ、写る範囲はイメージとまったくあっていないと思う。それをズーミングで直しちゃいけない。被写体が小さかったら自分が前に出る。大きすぎたら後ろへ下がる。これが『被写体の大きさを変えるのは自分の足だ』ってことの意味になる。でも、そうすると、同じ場所でも下の2枚のように、驚くほどちがう写真が撮れるんだ。記念写真なら広角がいいだろうし、ポートレートなら望遠がいいだろう。

  18㍉

  200㍉

さて、もうひとつおまけね。広角と望遠の描写のちがいってまだあるんだ。広角は画角が広いから遠近感が強調されて見える。広角のダイナミックな描写にあこがれる人も多いだろう。反対に望遠は写る範囲が狭いから遠近感が感じられなくなる。状況によっては前後のものが詰まって見えるような圧縮感が感じられる。圧縮感(圧縮効果)も作画に大きく影響する。ただし、圧縮効果はわかりにくいのが難点だ。ただむやみに広角と望遠を撮り比べたぐらいではなかなか感じられない。圧縮効果を得るには、撮影シーン内に距離が必要なんだ。よし、花畑に行ってみよう。僕が北海道に行ったときは、7月でちょうどラベンダーが咲き始めていた。さあ、広角か、望遠かどっちが向いているだろうか? 

 18㍉

 北海道は広いから広角でと思うと、なんとこんなにスカスカに写る。広角では遠近感が強調されて、花と花が離れて写るからスカスカになるんだ。広いところは広角と思って、こういう失敗をする人は多い。

 300㍉

望遠のほうはというと、花がビッシリ咲いているように見える。手前の花と奥の花が、圧縮されてビッシリに見える。広角でダイナッミクな写真が撮れることはよく知られているけど、望遠の圧縮効果もぜひ覚えておきたいテクニックだ。

 


2006-08-15 18:09  nice!(10)  トラックバック(0) 
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