ソフトフォーカス [レンズの話]

はい。アベっちだよ。 今回はソフトフォーカスについて考えてみたい。ソフトフォーカスってどんな描写か知ってるよね。 一般にはボヤ~とした、フワァーっとした描写だ。「紗をかける」という言葉があるでしょ。あれは夏の着物の生地、紗を通して見るとソフトに見えることからきている。光学的には軟調な描写と定義づけられる。みんなのイメージを具体化すると、ちょうどこんな感じかな。

 

どう? ソフトフォーカスがキライな人ってまずいないよね。女性ポートレートはもちろん、花、風景など、多くのシーンでソフトフォーカスは多用されている。デジタル画像では、パソコンとレタッチソフトがあれば、普通に撮った写真を後からソフトフォーカスに仕上げることができる。うまく仕上げるコツは、ソフト効果を弱めにすることだ。どうしてもせっかくするんだからと、やりすぎて失敗する人が多い。

そういえば、ミノルタ時代のαレンズに素晴らしいソフトフォーカスレンズがあった。ミノルタAFソフトフォーカス100mmF2.8だ。さっそくα100で使ってみよう。このレンズの特徴は、ソフトフォーカスといっても、常にソフトフォーカスな描写のわけではなく、ソフト量を0、1、2、3(弱、中、強)という具合に可変できることだ。

 ミノルタ ソフト100mmF2.8

  ソフト量が可変できるのが特徴

リングを回すだけでソフト量が簡単に変えられるのは便利このうえない。そして特筆に値するのは、ソフトといっても全体がボヤボヤになるのではなく、ピントの真はしっかりと残っていることだ。ソフトフォーカスとピンぼけはちがうってことが、このレンズを使うとよくわかる。残念ながら、ソニーαの新たなレンズラインナップには、このレンズは入っていない。いま予定されているレンズの発売が完了したら、検討してほしい1本だ。

 ソフト効果なし

  ソフト効果1(弱)

 ソフト効果2(中)

 ソフト効果3(強)

さて、話を戻そう。このレンズを使っても、やはりソフト効果を強くかけすぎる人は多かった。そこで僕は当時のセミナーで、ソフトフォーカスは全面に押し出してばかりではいけない。ときには隠し味のように使うのだと解説した。コショウとかタバスコのようなスパイスだと思ってもらえるとありがたい。デジタルになってもその基本は変わらない。具体的に見てもらうと、ソフト量、0と1の間で使うと、ほんのわずかにソフトがかかる。まさしくスパイスだ。

 ソフト効果0と1の間(微弱)

ソフト効果なし(0)と、0と1の間(微弱)で撮った写真をアップにして比べてみると…

 ソフト効果なし

 ソフト微弱

ほ~らね。はっきり書くと梨沙ちゃんに怒られそうだけど、わずかにソフトをかけると肌がしっとりより綺麗に再現されたでしょ。レタッチソフトで仕上げるときも基本は同じ。どこから見てもソフトという描写ばかりでなく、よく見たらソフトだったって使い方もあるのがわかってもらえたね。

☆モデル梨沙(リサ)ちゃんからのひとこと きゃー アップすぎでーす。困りまーす。でも、ソフトフォーカスいいですね。梨沙も大好きです。

梨沙ちゃん、大丈夫だって、ぜんぜんOK ということで今週は終了。いよいよ最終回が目前だ。 こうご期待!

 


2006-09-07 18:56  nice!(8)  トラックバック(0) 
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