露出をピッタリ当てるには その2 [露出について]
☆はい。アベっちだよ。発売から5日目。すでに“α100”を手にした人も多いと思う。このブログは、使いこなすのに知っていると便利だ、ということを主体に書いている。ぜひ読んでほしい。さて、前回の「露出をピッタリ当てるには その1」を簡単にまとめると、デジタルの露出はシビアだから、いつもブラケットしてピッタリのコマを選びましょう、ということだった。で、今回はその続き。白いものの撮り方と、デジタル一眼ならではの露出の当て方を紹介しよう。
被写体に黒っぽいものはあまりないけど、白っぽいものは多い。花、洋服、いまは夏だけど冬になれば雪。そして動物園のホッキョクグマ。話の流れはちょっと無理矢理かな。でも、ホッキョクグマをブラケットで撮ってみた(笑)
±0(標準)
-0.3
+0.3 OK!
ここでは+0.3が当たりになった。めでたし、めでたし! だけど、ちょっと待てよ。そもそも白いものは、暗く写ってしまう。白いものを撮って明るすぎて困ることはない。なぜならカメラに内蔵された露出計は、白いものは反射率が高いから、明るい場所と勘違いしてしまう。そのため早いシャッターを設定するから、露出アンダーになって暗く写るんだ。誰でも白いものを撮ったら暗く写った経験ってあるでしょ。ブラケットは、標準、-0.3、+0.3の3コマを撮る。でも、白いものは、もともと暗く写る。それなら暗く写る-0.3は撮る必要がないんじゃないか。こんなときは露出補正を併用すればいい。露出補正を+0.3してブラケットする。そうすると、+0.3のところが基準の0になるから、そこを中心に+0.3と-0.3のコマが撮影される。つまり結果としては明るい側だけ、±0、+0.3、+0.7の撮影がされることになる。ね、便利でしょう。
±0 実際は+0.3
-0.3 実際は±0
+0.3 実際は+0.7
ちなみに反対に黒いものや夕景や夜景は、暗いと思ってシャッター速度を遅く設定するから、露出オーバーになって明るく写って困ることになる。α100では多分割測光が採用されているから、どんなときでもものすごく露出が外れることはない。この場合でも-0.3ぐらい露出補正するとちょうどいい。
±0(標準)
-0.3 OK! これだ。
というわけだ。おっと今日はまだ終わりじゃないよ。こうやってブラケットをしておくと安心だ。でも、この方法には問題もある。シャッターチャンスがあるものを撮った場合、一番いいコマの露出が外れることもあるからだ。上の写真では、3枚目の両手を広げた可愛いい写真が露出オーバーになっている。また連続するシーンを撮った場合、明るさにバラツキがでるのも困る。ならばどうするか。まずはテストのつもりでブラケット撮影をする。必要に応じて露出補正も加える。撮影が終わったらコマ送りをして、ピッタリ露出が合っていると思う1枚を探す。これは何度も見直して、確実にチェックしてほしい。もし青空の下で液晶モニタが見えにくい場合は、日陰に行って見るぐらいしてほしい。なにしろこのチェックが重要なんだ。
ピッタリ露出を探す
ピッタリと思えるコマが見つけられたら、ボディの十字キーの▲を押す。するとヒストグラム表示になる。ヒストグラムが読めればさらにいいが、読めなくても慌てない。データの上から3番目の右に±と書いてあるから、その数値を見る。これがそのコマの露出補正量を表している。
ここでは+0.3だ
本番の撮影では、その露出補正値を設定して、ブラケットは解除する。撮影シーンの状況が大きく変わらない限り、このまま撮ってすべて露出はピッタリになる。これならシャッターチャンスや連続したシーンでも上手く撮れる。たとえば、
ボールを上に上げたいの…
そーれ、っと!
わーい、なんとかできた♪
あ~ 立ち泳ぎは疲れるぅ
ありゃ、ボールがズルって!!
わーん、待っててば(汗)
なーんてね。この方法は撮影した結果がすぐにわかるデジタル一眼ならではの露出決定法といえる。ということで、ひとまず露出は終了。つぎはAFの使いこなしを解説したいと考えている。
今回のホッキョクグマは、札幌の「円山動物園」で撮ったもの。小熊の名前は「ピリカ」。ママは「ララ」だ。アットホームで楽しい動物園だ。札幌へ行ったときにはぜひどうぞ。アベっちのオススメだよ♪
露出をピッタリ当てるには その1 [露出について]
☆はい。アベっちだよ。みんなの中には、リバーサルフィルム(スライドフィルム)を使った経験がある人がいるよね。ネガフィルムに比べると、ドンピシャの露出を当てるのが大変だったはずだ。 これはネガフィルムは露出の許容範囲(ラチチュード)が広い。正確には露出がドンピシャでなくても普通にプリントが得られるということ。反対にリバーサルは狭いことが原因だ。言い換えると、カラーネガは露出オーバーや露出アンダーが目立たない。リバーサルは目立つってことになる。
デジタルはどうだろう? ほんの少しでも露出オーバーや露出アンダーになると目立つでしょ。そう、デジタルはリバーサルと同じように露出がシビアだ。しかも露出の許容範囲は、リバーサルより狭い。リバーサルでは、露出補正するのに0.5段ステップでちょうどよかった。でも、デジタルでは0.3段ステップでないと、差が大きくなりすぎてしまう。そのためマメに露出補正をして撮らないとならない。下の写真は、0.3段ずつ変えたもので、その差は明確だ。この時は、±0の標準がちょうどよかったけれど、場合によっては0.3段オーバーやアンダーのものがよいと思えることもある。 ±0(標準)
-0.3
+0.3
露出補正の重要性が分かってもらえたと思う。でも、これを毎回するとなると面倒だ。ついあとでPCで直せばいいやってことになる。でも、PCで修正すると、わずかでもノイズが発生してしまう。自分で補正するより、PCで修正するよりもっとオススメなのはブラケットだ。ブラケットとは、カメラが自動的に標準の±0に加え、露出オーバーとアンダーも写してくれる機能だ。設定の方法はとても簡単。ドライブモードボタンを押して呼び出すだけだ。0.3段ずつ3コマ連続でずらして写せるモード(下の表示の状態)と、1コマずつ狙いながら写せるモードがある。Cはコンティニュアス、Sはシングルの略だ。
普通の撮影ならCの連続でいい。ただ、シャッターチャンスがあるものは狙いながら撮りたいからSの1コマ撮りにする。また0.3段を0.7段に切り換えることもできるけど、大きく変わりすぎるので普通は使わない。必要のない画像をあとで消去すればいいデジタルカメラでは、ブラケットとの相性はとてもよい。ただし、画像を消すのは一番最後。家に帰って落ち着いて確認してからだ。撮影途中などに消すと、必要なコマを誤って消すミスが多い。そのためには、記録メディアは大容量のものを用意して、余裕のある撮影をしたい。
α100に内蔵されている露出計は、ただ測光するだけでなく、演算して露出を決定する多分割測光が採用されている。このおかげで逆光や、下の写真のように画面に白い部分や黒い部分があるときでも、大きく露出が外れることはない。
とはいえ、個人の好みもあるから、100%バッチリというわけにはいかない。露出補正はスパイスのようなもの。ピリッと効かせて、自分にピッタリ合うところを探したい。